椎葉へ
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事の起こりは前日の萩明神池の食堂でのMUTIさん(satohさんの後輩の方)の一言二言からだった。

私が翌日椎葉まで走るのを知った彼が語るには、
「10年前の学生時代、合宿で椎葉に行ったが、そこの一軒しかない食堂の女将が歳のころ30そこそこ。

ものすごい美人!!!きっと平家のお姫様の末裔に違いない。
必見の価値あり。そして彼女の娘は当時10歳位。
きっと母親似の美人に育っているだろうことよ・・・。」と。

年甲斐もなく俄然張り切りました。



昨晩サブロクでVANさんはじめ福岡の方々と飲んで、宿で寝たのはAM1だったが
AM5には目が覚めAM6:20には椎葉へ向け出発。

国道か高速道かは道路の様子を見てからとR3を下る。



朝早かったので渋滞にも会わず、そのまま国道で標識なりに甘木、日田と抜け大観峰は3h後に着く。

ここで質問あり。
ダイカンボウは「大観峰」?それとも「大観望」?こちらのトピでも両方が使われているようだが・・・。




生憎と阿蘇山は霞んで見えない
がそれはどうでもいい。
あの山の向こうから美人女将が
おいでおいでをしていると思うと
白い霞みも桃色に見える。
急がなくちゃ。



高森では田楽を食いたかったが、
まだ店は開いてない。
我慢我慢。
美人女将の店までもたすのだ
と胃袋には言い聞かす。

でも蘇陽まで来るとさすがに
尻が痛くなり少しくじけ気味。
それでもおのれに鞭打つ。








いよいよ山の中へ突入するが、道は快適で全然秘境の感じ無し。
しかし時々見える旧道や一部狭いままの道は昔の道の険しさを感じさせる。

長〜い国見トンネルへ突入。

出口は見えないし、照明は暗い、路面は漏水でべちょべちょ。

この中で大型トラックに前後を挟まれたら気が狂いそうになるかも・・・
等と考えながら長い孤独から飛び出す時、標識を振り返ると2777mとあった。

バイクもドロドロになっていた。



椎葉村の中心部までもう少しという時、時間制限の完全通行止めにぶつかる。警備員は25分待てと言う。
「25分も〜」と不平気に言うと迂回路を教えてくれた。

渓谷の向こう岸の山中を登るらしい。

その狭い道を走るとぐんぐん高度を増し、見晴らしの良い崖っぷちから下を覗くと遥か下に工事中の国道が、
上を見上げると遥か上で農作業をしている人が見える。

昔の教科書に「椎葉は日本で唯一焼畑農業をしている地・・・。」とあったような。

あくまでも昔のことですよ。

こんな高所にも数軒の集落が。
車の無い昔はこの谷底から歩いて登ってきたのか。
登れば下る。これ理なり。
この下り坂がすごい。

コンクリがボコボコの狭い急坂。
ここでバイク倒したら絶体起こせないだろう。

ここまで来て引き返すわけにはいかないと意を決して慎重かつ大胆に下りる。
まるでスキー上級者コースだね。

無事元の国道に下りて時計を見るとわずか10分の時間短縮だ。
オイオイおじさん!わずか10分の為にこんな怖い思いさすなよお。
でも椎葉らしさを満喫できたが。



最後のトンネルを抜けていよいよ村の中心部へ。

美人女将や〜い。

椎葉の町中へ入ったが、食堂はたくさんあるじゃないかあ。
これじゃ美人女将を捜すなんてとても無理。
とりあえず鶴富屋敷へ行く。

昔は山の中腹にぽつんと建っていて庭からは深い谷底や対岸の山々が見えたんだろうが、
今は周りに家が建て混んで道路からは屋敷の屋根しか見えない。
興冷めだなあ。

もし観光資源として大事にしたいなら半径200m以内に家を建てさすべきじゃなかったろうに。
でも平地の無い椎葉じゃ仕方ないか。


まず美人女将の情報収集にとりかからなくちゃ。
鶴富屋敷の入場券売り場のおばちゃんに「かくかくしかじか・・・で美人女将を知らないか?」
ときりだしたら、「この辺の人はみんな美人ですからねえ。」と軽くいなされる。


鶴富屋敷にて、サンダルできたわけではありません。持参品ですよ。







あっ!こりゃ失敗だ。
こんな事はおじさんに聞くべきだった。



仕方ない。とりあえず繁盛してそうな一軒の食堂に入ってみる。
入ってがっくり。はずれ。
美人女将どころの話じゃない。
おまけに水は自分で注げとおっしゃる。


観光ずれしとるなあ。
素朴な椎葉を勝手に想像してた私がお馬鹿さん。
まあ地鶏そばが旨かったから許してあげよう。



もうちょっと観光しとこうと上椎葉ダムへと走る。


ダム上部に上がる坂の途中に
中学校あり。
こんな高い所に建っているのか
と感心しきり。

さてダムの上にバイクを停め、
さらに上からバイクとダムを
一緒に写真に収めようと
細い階段のついた山肌を
登っててふと気付いた。

「通学路」の表示有り。

ひえっ〜!この村の子らは
こんな所を通学してるのか。
足腰鍛えられるよ。
いい長距離走者を輩出するかも。

美人女将に会えなかったのは
残念だったが、
世の中こんなもんよと
自分自身に言い聞かせ
帰途につく。


時計を見るとPM1ちょい前。
やばい!昼休みの終わるPM1から国道工事が始まるだろうから、叉完全閉鎖になってしまうかも。

あんな山道二度と走りたくない。

飛ばして帰ると現場では飯場から工事関係者らがぞろぞろ出てきている最中。
ぎりぎり通過できた。




蘇陽、高森からやまなみに入り、途中有名という黒川温泉の下見。
下見と言ってもそのうち泊まるというわけではない。
高級旅館は一生縁無いだろう。

それにさほど良いとも感じられなかった。



次は長者原で休憩。

HDのフルドレスFLHが二台来たが、一台のサイドスタンドが具合悪かったのか、ドタンと倒れるのを見てしまった。


長者原にて・・奥に見えるHDがばたんと倒れた


さあ別府までノンストップで走ろうかとしてた時、
一台のVFR白バイが駐車場内にウロウロ入って来て8の字旋回なぞしてから、
かのHDのおじさん達に合流。

あれ何じゃあ!?

無線も赤灯も付いてるし、服装もまんまじゃないか。
でもどっかおかしい?

近寄って確かめようかとも思ったが急いでるし止めた。

九州じゃ有名な偽白バイのおじさんなんでしょうか。
腕もバッチシでしたが・・・?



合わせて椎葉の美人女将の情報も。

坦々と走り、湯布院もパスしてPM6:10別府の宿に着く。
ほぼ12h、423Kmのツーリングでした。



ビールを飲みつつ夕食。

食卓に地図を広げてコースの確認や反省。
そして気付いた。

椎葉から別府にUターンするより、さらに南下して人吉、
えびのを抜けて鹿児島の実家まで走っても楽勝コースだったなあ。

九州の背骨を貫くコースの方が意義深かったかもと。


でも明日は耶馬溪MC倶楽部のルーツ、青の洞門でまずい缶コーヒーを飲んだり、未知の英彦山方面も走らねば。


これで良しとしましょう。

続く・・・