北海道ツーレポ(我は如何にして旅人となりしか)
著作・製作 Hanajinさん  Hanajinさんってどんな人?



三年前のことである。北海道ツアーに女房と行った。3日間で道央と道南を巡る旅であった。
三日間、北海道に来ているとは思えないような暑さの中、夕張や富良野、美瑛、小樽、函館と巡った。
バスで何時間も移動して、そこここをちょこっと見学する。

それなりに楽しくはあったが、三日間、同じメンバーに囲まれて、同じ場所を見、同じ道を走る。
だんだん息が詰まりそうになってくる。

 そんな時、いかにも自由そうにバイクが追い越したりすれ違ったりする。
「ああ、俺もバイクで来たい!」と何度女房に呟いたことだったろう。

どこまでも続く大空と青い海を眺めながら、自分の好きなスピードで走り、
立ち止まり、眺め、歌を歌い、また走り、止まり、コーヒーを淹れ、風景を眺め・・・。

 そういう気持ちをずっと抱きながらも、やはり北海道は遠い地であった。
退職してからやっと果たせる夢かもしれないと思っていた。


 その願いが今年果たせることになった経緯を少し記しておかねばならない。



 今年は結婚二十五年。いわゆる銀婚式である。
その記念に北海道に行き、レンタカーで道内を巡ろうと思っていた。
しかし、女房には仕事が入り、しかも銀婚式辺りは出張で遠くに行かねばならないという。
虫食い状態でまとめて休みが取れないということが分かった。

私は今年はいつでも休みが取れそうである。

「俺、一人で北海道に行って来ていいかねえ?」と恐る恐る女房に聞くと、「いいよ」とあっさり言ってくれた。
「行けるときに行っておかんと、先のことは分からんけね」。いい女房である。

 あらかじめ二週間休みを取った。
あとは計画を立て、必要な予約をし、持ち物を調える。

 どこから北海道に上陸するか。いろいろとルートはある。
一番近いのは博多から。次は舞鶴から小樽。そして敦賀から苫小牧。
他にも新潟や大洗や八戸や青森や大間や・・・。しかし新潟や大洗以下は現実的でない。

 結局敦賀から苫小牧を選んだ。
道東に行くのは苫小牧が便利だろうと思ったからである。
確かにそうだが、終えてみて小樽に上陸してもあまり変わらないということが分かったし、
舞鶴の方が行きやすいということを帰りの高速で身にしみて知らされた。
次に行かれる方は舞鶴・小樽のルートをお勧めする。

 計画としては最初は宗谷岬までは行くつもりはなかった。
道東でぐずぐずしようと思っていたのである。
しかし、10日間もある。

次に行けるのはいつになるか分からない。
そう思って、計画を練り直した。

前半の日程を決め、宿の予約を終えたあとの練り直しだったので、後半は少し窮屈なものになった。
もっと要領よく最初から考えていれば、利尻島にも渡れたかも知れない。

だが、利尻島にバイクで渡るだけで7000円以上かかるということがあとで分かったので、
これでも良かったのかもしれないとも思っている。

この次に女房と来た時に、一緒に渡ろうと思った。いつになるか分からないけど。



 すべての宿を予約するか、行き当たりばったりで泊まるか。
そこも迷いどころであった。

「北海道は泊まるところはいくらでもありますよ」と道雪さんにアドバイスされていたが、
今回は荷物を減らすために、全部予約しておこうと決めた。

テントと寝袋さえ持っていけば、何とかなると分かっていたのだが、
面倒なことは省いて、出来るだけあちこち見る時間を確保したかった。

キャンプと宿を比較すればどちらが自由度は高いか。
いろいろ考えたが、買い物やテントを張ったりすることの面倒さを考えると、
宿に泊まる方が時間を自由に使えるという結論に達した。

それはそれで何時までに着かねばならないという制約はあるのだが。


(持ち物リスト)

パンツ・Tシャツ・長袖シャツ・靴下・ジャージ・トレーナー・タオル・水着
・運動靴・サングラス・読書用メガネ・ジーンズ・防寒中着・カッパ・ビニール袋大小

歯磨き・歯ブラシ・石鹸・シャンプー・ひげそり

バファリン・胃腸薬・サロンパス・虫除け

マップル・ユース案内・地図・北海道観光案内

携帯・充電器・電池・ラジオ・デジカメ・三脚・メモリーカード

車体カバー・ロック・雑巾・ヘルメット用ケミカル・空気入れ

現金・郵便貯金カード・保険証・ユース会員証・フェリーチケット・筆記具・免許・バイクのマニュアル

京極夏彦の本2冊・司馬遼太郎の「オホーツク街道」

 今回のツーリング用にノートを一冊買った。その最初のページには以上の品目が書かれている。

 次のページには寝る場所の名前が書いてある。

 7/25(日) フェリー(敦賀〜苫小牧)
 7/26(月) ウトナイ湖ユース(苫小牧)
 7/27(火) えりもユース(襟裳岬)
 7/28(水) とうろユース(釧路湿原)
 7/29(木) 地平線(中標津)
 7/30(金) 知床ボンズホーム(知床)
 7/31(土) 摩周湖ユース(摩周湖)
 8/1(日)  船長の家(サロマ湖)
 8/2(月)  稚内モシリパユース(稚内)
 8/3(火)  士別サイクリングターミナル(士別)
 8/4(水)  美瑛ポテトの丘ユース(美瑛)
 8/5(木)  フェリー(苫小牧〜敦賀)
 8/6(金)  敦賀市内のビジホ
 8/7(土)  帰着予定

次のページからが旅の始まりである。

続く・・・