耶馬溪MCファイナルツー
著作・製作 TAKA2  TAKA2ってどんな人?
2001年12月2日 最高の天気!!


今回の2001年ファイナルツーをハードボイルドタッチ!でお送りします。
お笑いだけのツーレポしか書けないと思ってたあなた、TAKA2の新しい側面を堪能ください。
男のにおいを感じるバーボンの似合うツーレポです・・・たぶん・・・



  

おれはライダーだ、決してライターではない。
しかもクールだ。
あえて自分で言う、クールなライダーだ。


・・・


誰も言ってはくれない。
ライダーとは孤独なものだ・・・・フッ・・・



ライダーは節目を大切にする。
今回は耶馬溪MCの2001年ファイナルツーだ。

これに参加するために数日前から家内に牽制球を投げつづけた。
また、仕事仲間にもひつように牽制球を投げつけた。

仕事はなんとでもなる。しかし、ライダーは家庭サービスは苦手だ・・・

今年の夏もそうだ、近所がディズニーランドやUSJに行くので、うちもどこか連れて行けと家内が言う。
8耐に行こうと言うと、だれも口をきいてくれなくなった・・・・

ライダーは孤独だ。




ライダーは朝に強い。
今日も目覚ましは7時にセットしている。
しかし、その目覚ましを止めたのは5時30分だ。


また、ライダーはクールに振舞うため、準備にも手を抜かない。
前日まで通勤でよごれてしまった俺のTOKI、そのまま走ろうかとも思ったが、今から洗車すればまだ間に合う。

洗車するか?
外によごれ具合を見に行く。








・・・・まだ暗くて見えない・・・・










ライダーは寒さに弱い。
水は冷たい。
洗車していると新聞配達のにーちゃんが、挨拶していく。
ここはクールに「おはよう・・」

きまった。

近所のだんなさんが犬をつれて前を通る。「せいが出ますねー」と声がかかる。
「あ!おはようございます。お早いですねー、え、私、いえいえ、・・・」

ライダーは変わり身が早い。






朝日に輝くTOKIをながめながら紫色の唇でタバコをくゆらす。

う、美しい!

背後から「キレイになりましたねー」と声がかかる。
ふ、それほどでも、とクールにふりかえると、同時に鼻水が遠心力で放物線を描く・・・







準備をすると、そろそろ8時、出発の時刻だ。
ライダーは女房に弱い、出発を押さえられるとあとでお土産を買わされる。
しかし、女房は朝に弱い、なんとかニアミスだけは避けることができた。




セルを廻す、ガソリンがキャブレターで朝の空気とひとつに交じり合い、潜在エネルギーと化す。
バルブで閉じ込められた燃焼室の中でこれは確実に着火され、逃げ場を失ったエネルギーがシリンダーを押し下げる。
ただそれだけの仕事を終えた混合気はマフラーを介してまた、静寂な朝の空気へと帰っていく。

このフレーズが好きだ。
そう、中学の技術科の時間に習った。そのまんまだ・・・



膨大なエネルギーの塊にまたがり、静寂な朝もやのなかへと走り出す。
しかし膨大なエネルギーの塊はすぐに品切れとなる。
ガス欠だ・・



しかし、ライダーはなんでも自分でやる。
いや、休日には炊事をやっているとか、そんなことを言っているのではない。

実は近所にセルフのスタンドができた。
これはなかなか楽しい。ただ、店員に対して「灰皿かえとってね」というボケができなくなったのは悲しいことだ。
まあ、いいか、最近の店員はボケに関して非常に冷たい。遊び心がないことにすこしばかりの寂しさを感じる。


ガソリンを満タンにして準備完了。
やはりライダーは準備を周到にするもんだ。うん、
え、なぜ昨日のうちに満タンにしておかなかったかって?


・・・・ライダーはむずかしいことはわからない・・・・




まずは小石原道の駅にむかって出発だ、
途中、江川ダムがある、そこで休憩しながら遠くからきた詩人のようにダムでも眺めるか、きっとクールだ!
決して久留米ナンバーであったとしても、家から10分の距離であったとしても詩人になろう。


お!前方に大きなバニアケースが・・・・BANANAさんだ。
途中合流し、一緒に江川ダムへと向かう。


どちらのほうが寒い思いをしたかを語り合っていると、下のほうからふぉーんとインライン4の排気音が・・・
お、クールだ。山間に響く集合マフラーの音色。

もしやと思ったが、音の主はやはりAkuta氏だ、まちゃくんも一緒だ。
ここにいる私たちに気づくだろうか・・・




ここでは以前、Hanajinさんにおいていかれた苦い経験がある。ライダーはジェスチャーが不得意だ。
いや、今日は工事信号が赤だ、ここで止まる。大丈夫だ。




案の定、Akuta氏とまちゃくんが信号で止まる。
私との距離10m、そばにはクールなTOKIもある。これでわからないはずがない。

ここはさわやかに挨拶だろう。


「Akutaさん、おは・・・」

信号が青になった。二人は爆音を残し、去っていった。
ライダーは孤独である。




「BANANAさん、私はAkutaさんをおっかけてきますね。」
クールな私は冷静を保ちつつ、、くっそ、あご紐がうまく止まらねぇ!

快調に走り出し、コーナーがクールだぜ!おっと、あら、けっこうきついコーナー。


走りながら考える。追いついたらどう挨拶しよう。

いきなりインから抜きざまにピースかぁ〜、クールだぁ!よし、これに決めた!
しかし、なかなか見えない。


追いつかないはずがない・・・あ・・・ほら、見えてきた、一気に差を詰めるぜ〜!

みるみるうちに二人が目前に迫ってくる!

・・・お二人は次の信号で止まってました。




軽い挨拶のあといっしょに走り出すが、ここは私の庭も同然、コースは完全に頭のなかに入っている。

実はここまでの道のりは、ちょっと雨が降るだけで片側通行になる。
そのたびにライン取りが中断されるため、あぶなくて飛ばせない。

しかしここから先は雨が降ったくらいでは工事中にもならない。
「はっはー石でもふらん限り、いつものラインで楽勝だぁ〜い!」

石でも、石でも・・・??あれ?



コーナーを抜けると、そこにはバレーボール大の石がおちていた。(涙)






降石にびびりつつ、安全運転の地元民はそれでも無事みんなと小石原道の駅に到着。


そうそう、クールなライダーである私はあるシチュエーションのために秘密兵器を準備していた。
それはこういうシチュエーションだ。

・じゃあ、みんなで記念写真とりましょうか?
・しかし、いつもとおなじ記念写真ですねーせっかくの一周年なのになんか無いんですか。
・ぼく、いつもといっしょじゃいやだー
(私、ふせ目がちに・・・)フッ、これを使いな。

おお!クールだ!


このシチュエーションをひたすら待つライダーはこのことをさとられてはいけない、あくまでなにげに振舞うんだ。
このためにわざわざ昨日、女房に笑われながらもプリンターで’のぼり’を印刷した。
本当は早くそのことを話したい。
話したいが、なにげでなければならない。がまんしよう。


まて、まてよ、
もし、このままそのシチュエーションがなかったら、昨日の努力はどうなるんだろう。
ふふふ・・そんなばかな・・

し、しかし、もしなかったら・・・
また女房に笑われるだけだ。いやだ、かっこわるい。


「あの〜Hanajinさん、私、’のぼり’作ってきたんですが・・」

ライダーは口が軽い・・・






ここに集まったバイクはたしか21台。
どれもクールだ。

しかし、みんなそう思っているだろうが、やはり自分のバイクが一番クールだ。
みんなが、いろんなバイクを見て語り合っている。

「いやーSINさんのバイクぴかぴかでかっこいいですねー」
TOKIも日を浴びて輝いている。

「VANさん、シーシーバー決まってますね。」
クールになるため、私は朝からバイクを磨いた。

「あ、TAKAさん、バイク洗ったんだ(終)」

ライダーは孤独だ・・・・




忙しい中、TAMAさん夫妻もやってきてくれた。
次の駅である「山国道の駅」までつきあってくれるという。
いきなりOFF車でウイリーを決めている。
う!・・か、かっこいい!

俺もやりたい!と、TOKIを見る。
TOKIはぶるぶるっと首を横に振る。
「君ならできる」と説得するが、以前そうやって、さお立ちになったことをまだ根にもっているようだ。
今度油断しているときにウイリーやっちゃおう。




英彦山から野峠を経由して山国へ抜ける。
紅葉というには遅すぎる山の色だ。
ほんの一月くらい前までは、真っ赤に紅葉し、驚嘆をあびた葉たちが、今は地面で朽ち果てている。
人生とはそんなものか。
「フッ、俺も似たようなもんさ」もうすぐ土となり消えてしまう。
もうすこしだけと地面の上で最後の紅色を出している落ち葉にエールを送りたい・・・
すこしやさしい目で落ち葉を眺めたが、いきなりリアがずるずる〜

そうなるとやさしかった目はいきなりつり上がる。
もお〜!落ち葉なんか大っ嫌いだ!

ライダーはわがままだ




山間ではところどころ道路が濡れてるところもあり落ち葉も落ちている。
また、日陰に入ると肌寒い。

しかし、そこをぬけると日があたり、最高のコンディションだ。


ほどなく山国道の駅に到着し、早速記念写真。
私の秘密兵器を強制的にみんなに配る。




ここでTAMAさん夫妻とはお別れだ、またかっこよくウイリーを決める。
TOKIを見る。TOKIが目をそらす。




人生というマップに道はない、あえて言えば、自分のうしろに道ができる。
いまから自分がどんな人生を進むのか、そんなことは知りたくも無い。
いまからどこへ行くのか、クールなライダーはそんなことはわからない。

というわけで、ここからしばらくは、どこを走ったのかさえわからない。(爆)
たぶん、・・院内あたり・・・かな?



途中民家の前で19台のバイクを止めてPAPAさんを待つ。
Akutaさんが、「私だったら、止まってるバイクにお茶を出すな」と言っていた。
あまいな・・・
今の季節なら、まちがいなく干し柿だ。




PAPAさんと合流し、一路有名そうな滝に向かう。
滝の名前? 自分の走っているところもわからないのに名前なんてわかるはずもない。

すぐに有名そうな滝に到着する。
滝壷に下りるかという話が出たが、クールなライダーは足腰が弱い。
降りることはできそうだが、もう二度と上ってこれそうにない。
滝を上から眺めるだけで退散することとした。




耶馬溪へ向かう。耶馬溪MC約束の地だ。
途中しゃれたペンション風のレストラン(食堂?)に立ち寄る。
ほとんどのライダーが地鶏定食を食べる。
外には地鶏定食になる前の食材が「こっこっこ」と鳴きながらバイクの回りをうろうろしている。

お店の娘さんだろう、小さな子供もバイクの周りをうろうろしている。



「お!Sathoさんだ!」
だれかが叫んだ。

黄色いグッチが目に飛び込んできた。駐車場の砂利道には似合わないバイクだ。
わざわざ宮崎からこのツーに参加のためやってきた。


高速走行のためだけに作られたとぎすまされたパーツの集合体が、砂利の駐車場で、鶏といっしょにゆっくりとその翼を休めている。

しかも女の子がちょっかい出そうと身構えている。
「ちっちっち、彼女、バイクに手を出すと火傷するぜ」と言おうかと思ったが、ちょっと年齢が若すぎる。
「お嬢ちゃん、バイクに触ると火傷するよー」とやさしく声をかける。
・・・でもまだ狙ってた・・・




Sathoさんとはここでお別れだ、ツーリングなんだが、一緒に飯をくってそれでお別れ。
こういうのもまた一興か。
わざわざ遠くからありがとうございます。


本隊は予定を変更して「木犀座」という喫茶店へ向かうことに。
「もくせいざってどこにあるんですが」という問いに対し、横から
「火星の隣だよ」というぼけをかましたのに、聞こえたのか聞こえなかったのか、返事はない。
やはりライダーは孤独だ。




途中ガソリンスタンドで給油。
横を見ると、覆面白バイが本来の任務を遂行中だ。
みんな安全運転で横を通りすぎる。

結局一番クールだったのは彼かもしれない。




さて、順番が回ってきてTOKIにガソリンを入れてやる。
ふと前に目を移すと、どうやらBMの回りでいろいろと話をしている。
あ、BMに跨った・・あー・・・そのまま・・・・
スローモーションで私は見てしまいました。



給油後、ライターを忘れたライダー、SINさんがライターを取りに引き戻ると言う。
本隊は先に木犀座へ。



お店の人から、「20人は入らない」といわれながらも、無理やり店内へ。
そこへBANANAさん到着。
・・・ってどこに行ってたの。
耶馬溪の旧道(っていうのかなー)の崖に上ってきたらしい。

しばらくしてSINさんも合流。みんなで話に花が咲く。




さて、いよいよ楽しいツーリングも終盤。
大分組とは、ここでお別れです。
まったねー

おっと、今回はハードボイルドタッチだった・・・・


途中、タバコを買いに寄るが、ほとんどノンストップで、突っ走る。
途中、Hanajinnさん率いる北九州組と分かれ爆走軍団は英彦山駐車場へ。
すでに回りは暗い。




少し休憩しながら、自分のヘッドライトの暗さ自慢。
そいつが終わると、もうひとっ走り。狸を横目に見ながら江川ダムへ。




エンジンを止めると、静寂があたりを包む。
暗いダムの上に満点の星。タバコに火を点ける。
ん〜ハードボイルドになってきた。


その時「ようこそ!江川ダムへ!」
突然案内放送が・・・・

だぁめだよAkutaさん。案内のスイッチ入れちゃあ!


「え、私?さっきの?これ押しただけですよ」

それ押したからです。



暗く静かな山間に、妙に明るい案内嬢の説明が延々と山々にこだまする。
「・・・・甘木市民の水がめとして〜・・・・」
場違いな案内嬢の説明が流れる中、みんなで星を見上げて、「すっげー星!」
しかし、なかなか案内、終わらないなー




さて、SINさんのバイクがそろそろガス欠とのこと。
「どっか、スタンドありますかねー」
「フッ、心配無用、それなら俺に心当たりがあるぜ・・・ついてくるかい。」<こんな風には言ってないけど・・



ここは地元の強み、颯爽と近くのスタンドまでみんなを先導します。
ここでみんなとはお別れ、自宅へとバイクを走らせるのでした。




PS.SINさん、スタンド閉まってましたね。ごめんなさい。


おわり