★旅先での緊急事態!


さて、引き続きボルドールは南下を続けるわけですが、福山まで来たところでだんだん調子がわるくなり始めました。

とりあえずディスカウントショップに入り、バッテリーを購入しようかとも考えたのですが、この調子だと、バッテリーは4〜5個は必要だなーと悟り、
結局いけるところまで走り、そこから別方法で配送しようかと考えました。

そこから数キロ走ったとき、とうとうその時はやってきました。

完全にFは死にました。

歩道にバイクを上げて、おっちゃんに電話をします。
配送の手配をお願いしようかなーと思っての電話です。

「あのーさっきの件だと思うのですが、だめですねー完全ストップです」
「はいはい、わかりましたーまた連絡しますからちょっとまっててくださいね」

「へ、は、はい、」

とりあえず電話を切り、しばらく待つことに・・・

しかし、しばらく待ってどうするんだろ・・・・
もう一度電話してみる

「もしもし、TAKAですが・・・」

「あー、今新幹線乗り場ですから、もうちょっと待ってください。」
「あ、はい・・・」

なんや、おっちゃん、ここまで来る気や!

いったいどのくらい時間かかるんやろ。

すぐそばに駄菓子やさんがあり、その玄関先にバイクを止めているので、ちょっと挨拶だけしとこうかな・・長期戦になりそうだし。
「すいません、実は・・・・・・でして、ちょっと止めさせてもらっていいですか」
どうぞどうぞということで、そこに止めるはめに・・・っていっても歩道ですもんね。

しばらくぼーっとまってると、駄菓子やのおばちゃんがイスとお茶を持ってきてくれた。
ありがとうございます。

しかし、国道のよこの歩道にバイクとめて(決して広い歩道ではない)、そこにイスにすわってお茶のんでるおやじを、みんなが白い目で見ていく。

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い、いかん、今、私寝てた?

気が付いたら回りはすでに暗くなってきてる。
明日は仕事なのに、ほんとに大丈夫かいな・・・・

時計はすでに20時、ここに止まったのが17時だから・・・もう3時間やん、
そんなことしてると、にわかに携帯が・・おっちゃんからだ!

「いま、タクシーのってんねんけど、TAKAさんどこです?」
おっちゃんは、ミニバッテリーと、自分のボルドールから外した電装系一式、それと多すぎる工具をかかえてタクシーから降りてきた。

「すんまへん、動かんようなバイクを渡してしもうて!」
すんまへんは私の方です。わざわざ来てもらって、

ほとんど手元が見えない歩道で、世間話しながらバイクをばらし始めます。

「あのー、見えるんですか」
「学生のころからFいじってるんで、手探りでどこになにがあるかわかりますねん!」
おっちゃん、あなたはすごい!

バッテリーは今回のために数日前に交換したばかりなんで、ジェネレータからバッテリーまでの問題でしょうということになり、
原因追求より一式交換がはやいと、ばんばん部品を外し、もってきた部品を組み付けていきます。

整備に多少自信のあった私もただ呆然と見つめるだけ・・・
で、すべて部品交換がおわり、ミニバッテリーをつないでセルを廻す。

「キュル、ぶおん!」

一発です。

見る見るボルテージメーターが上がっていく!

「OKですな、ほな、私帰りますわ、」
帰るってどうやって帰るの?
「ん、タクシーでも拾います。」

なかなかタクシーがこないんで、来るとき乗ってきたタクシー会社に電話して呼びます。
タクシーが来るまでの間、また、楽しい談義に花が咲きます。

考えてみれば、もう合うこともないかもと思ってお昼にわかれたおっちゃんと、また話してる・・・
なんかおかしくなってきます。

でも楽しいひと時もほんの数分、タクシーの登場です。

「ほなTAKAさん、私は今日は広島あたりのビジホにとまりますわ、なんかお好み焼きが食いとうなってきた。
そやさかい、なんかあったら、また電話してや、すぐ飛んでいきまっせ。そやなー次は北九州あたりで止まるかなー

おいおい、やめてくれよー

考えてみれば、全工程のまだ4分の1程度しか走ってない。
先をいそがんと・・・・